ワイドのスポーツやグルメについて広く語るブログ

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ヒカルの碁感想、第七十局~佐為がいた・・・~

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(引用元:https://youtu.be/jkXprrw-wC0)

 

この回はティッシュでもタオルでもなく

バスタオル必須です。

 

◆あらすじ

 

不本意に終わったプロ試験で反則負けをした相手であるヒカルと、一度打ち切って再スタートをしたい伊角さん。

 

「俺の為に一局だけ打ってくれ」とヒカルにお願いをする。

 

ヒカルは、

佐為に対して"もう打たない"と誓いを立てていたが、

伊角さんの自分の道を真剣に歩こうとする姿勢を無下にできず、一局打つことを了承する。


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(引用元:https://youtu.be/jkXprrw-wC0)

 

ヒカルは終始、佐為に対して

「俺が打ちたいわけじゃない!

伊角さんのためなんだ!」

と言い訳をしながら、伊角さんと対局を始める。

 

ヒカルは「ワクワクしちゃいけない」

と自分に言い聞かせるものの、

伊角さんは中国修行で腕を上げており、

ヒカルに余計なことを考える隙を与えてくれない。

次第にヒカルは目の前の対局に集中していく…


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(引用元:https://youtu.be/jkXprrw-wC0)

 

ヒカルも伊角さんもお互いに実力を上げており、

どちらも一歩も引かない互角の戦いが続く。

 

右辺の白模様を荒らしにヒカルが勝負手を打ちに行ったところで、後ろから見知った影が…


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(引用元:https://youtu.be/jkXprrw-wC0)

 

そして、ポロポロと涙を流し始めるヒカル。

 

…この打ち方、、


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(引用元:https://youtu.be/jkXprrw-wC0)

 

あいつが、

あいつが打ってたんだ!!

こんな風に…


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(引用元:https://youtu.be/jkXprrw-wC0)

 

いた…

どこを探してもいなかった佐為が

こんなところにいた…


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(引用元:https://youtu.be/jkXprrw-wC0)

 

佐為がいた

どこにもいなかった佐為が…

 

俺が向かう盤の上に

俺が打つその碁の中に

こっそり隠れてた…

 

お前に会うただ一つの方法は

打つことだったんだ…


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(引用元:https://youtu.be/jkXprrw-wC0)

 

最後に

「伊角さん、俺…

打ってもいいのかもしれない」

と言って泣くヒカル。

 

伊角さんは

「何か苦しんでたみたいだな」

とだけ優しく声をかけ、

それ以上の追及はしなかった。

 

ヒカルは

「打つよ俺!

これから何十局でも、何百局でも、何千局でも!

伊角さんとも、和谷とも、越智とも、みんなと!」

と、これから打ち続けていくことを力強く宣言する。


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(引用元:https://youtu.be/jkXprrw-wC0)

 

伊角と同様、

ヒカルもここから再スタートを切る。

 

ライバルの塔矢アキラに一言伝えたいことがあったヒカルは、

その夜アキラがいる棋院に向かったところ、

棋院で桑原本因坊とすれ違う。

 

桑原本因坊はヒカルの目を見て復活したことを悟り、

「お前のライバルなら五階にいるぞ」とだけ言い残す。


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(引用元:https://youtu.be/jkXprrw-wC0)

 

横にいて何が何だかわからない坂巻さんに

桑原本因坊が問いかける。

「坂巻さんしっとるか?

碁は二人で打つものなんじゃよ」

 

坂巻さんは何を当たり前のことをと

さらに首を傾げる。

 

わかっとらんの~

碁は一人では打てんのじゃ

 

二人いるんじゃよ…

一人の天才だけでは名局は生まれんのじゃ

 

等しく才長けたものが二人いるんじゃよ…

二人揃って初めて神の一手に


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(引用元:https://youtu.be/jkXprrw-wC0)

 

…一歩近づく!!

 

 

◆感想

 

神回!名局!!

 

この話は、これ単体では本当の感動の1/10程度しか伝わりません!

 

原作者のほったゆみ先生が素晴らしすぎて、

過去の何気ない一話の何気ない一言の積み重ねがあって初めて、とても感動します。

 

・毎日のように二人で打ち続けて、佐為とヒカルが積み重ねた年月。

・和谷戦で見せた佐為のような一手と、和谷からの「sai並だったぜ」という一言。

・伊角戦のしこりの残る反則試合。

・佐為が消える瞬間、ヒカルに声が届かなかったこと…

・ヒカルが佐為の消失を認めずひたすら探し回ったこと。

・伊角さんの中国修行

 

一つ一つの話は、

その時その時にクライマックスを迎えていたが、

それら全てはこの回に繋がっていました!!!

 

伊角さんの反則負けは後味が悪かったし、

それを補う話(プレーオフなど)もありませんでした。

けれど、それが無かったら、

今回ヒカルは伊角さんと打とうとしなかったかもしれない。

 

さらに、

"ヒカルが佐為に似た打ち方をしている"

という前提があるからこそ、

ヒカルの碁の中に佐為が隠れている

ということに強く共感できます。

 

なので、初めから全部見ていないと伝わりません…

無駄な話が一切無い、ほった先生が優秀過ぎました。。

 

 

佐為と塔矢名人との対局中、

佐為の絶妙な勝負手に対して、

「打たれてみればここしかないという絶対の一手に見える!

けれど、この手に気づけるものがどれだけいるだろうか」

といったセリフがあります。

ヒカルの碁感想、第五十六局~千年の答え~ - ワイドのスポーツやグルメについて広く語るブログ

 

ヒカルの復活も、

ライバルの塔矢アキラをきっかけにしても良かったはずですし、

そもそも、佐為との感動の別れにすることだってできたはず。

 

けれど、佐為は別れも伝えられずに突然消え、僕らに衝撃を与え、

ヒカルの復活のきっかけは、ライバルのアキラではなく、プロ試験でしこりを残した伊角さんでした!

 

一つ一つは意外に見えた一手でしたが、

まさに、打たれてみるとそれ以外に考えられない絶対の一手に見えます。

 

布石の活用の仕方が巧くて、

石(話)の流れがとても美しいです!!

 

最後は、囲碁(神の一手)について普遍的な答えを桑原本因坊に語らせて、

ヒカルとアキラの二人が必要というのをこの絶妙なタイミングで出し、

今回は本当に神の一手のような話でした😆✨